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はじまりは、母が草花を生ける姿。|インタビュー:田中恵先生(いけばなみなづきの会)

  • 執筆者の写真: natsuko yamagishi
    natsuko yamagishi
  • 2月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月20日



白老町で7年前に発足した「いけばなみなづきの会」。そこで先生を務める田中恵先生(81歳)に、会の活動や生け花についてインタビューを行いました。田中先生は、今年度の白老町文化団体連絡協議会の功績賞、白老町教育委員会から文化賞を受賞されています。

実は、2024年12月16日に生け花を含む「華道」が、国の無形文化財に登録されています。ぜひ田中先生のお話も含めて、生け花を体験してみる機会になると嬉しいです。


聞き手:山岸奈津子(SHIPS)


「生け花体験|いけばなみなづきの会」2月23日(日)13:00〜

プログラム詳細はこちら



*****


ー「生け花」と言ってもさまざまな流派があり、背景や歴史があると思います。特に「いけばなみなづきの会」の流派である「池坊(いけのぼう)」の特徴は何ですか?


室町時代から、600年続く歴史を持っています。

池坊のはじまりは、室町時代前期にお寺の僧侶である池坊専慶が金瓶に草木をいけ、神仏に献上したことと言われており、「いけばなの根源」として続く古典です。紐解いていくのは本当に大変なことで、私は67年間、古典を学び、生け花を指導してきていますが、その1ページにも辿り着けていないなと思いながら活動しています。


虫食い葉・先枯れの葉・枯枝までも、みずみずしい若葉や色鮮やかな花と同じ草木の命の姿ととらえ、美を見出すことが池坊の花をいける心であり、理念です。こうした池坊の理念は、室町時代後期に池坊専応によって確立され、花をいける技とともに今に伝えられています。(池坊公式サイトより)


ー 67年間、生け花を続けてこられたというのは本当にすごいことだと思いますが、田中先生の、生け花との出会いは何だったのでしょうか?


昔は白老にもたくさんお花の先生がいました。女性の嗜みとして、生け花・お茶は大事なものでしたから、周りでも習っている人がたくさんいたんです。

私が小学生のとき、母が竹筒に、たぶんそこらへんで採った柳を生けていた姿を見たことが最初の衝撃でした。母も生け花について詳しく知っているわけではないと思うのだけど、それは今思えば「生花(しょうか)」という古典的なスタイルでした。 そのときに、母に「生け花を習いたい」と言ったんです。

でも、父が戦死して母子家庭で決して裕福ではなかったですから、母に、今はいろんな事情で習わせてあげられないけどいつかそのときが来たら習わせる約束は守ると言ってくれて。兄たちが独立していった、15歳の時についに習い始めることができました。



ー 15歳から今までずっと続けていらっしゃるんですね!


今の白老町の文化団体連絡協議会が発足する前にあった町の文化祭で、15歳のときに初めて生け花の作品を出品したんですよ。生ける形を自分なりに考えて、それが文化祭で飾られたことは15歳の子どもの私にとって強く記憶に残っています。

結婚して、子育てもして、いろいろなことがありながら生きてきましたけど、実は町の文化祭はずっと出てるんですよ。



ー きっとすごく嬉しかったんですね!それが伝わってきます。

そしてなんと文化祭皆勤賞なんですね!生け花の先生として活動されるようになったのは?


23歳のときに、池坊北海道連合コンクール展といういけばなの展覧会で、華道家元賞を受賞したんです。当時の家元は若くてとてもハンサムだったですけど、若いのにすごいねと褒めてくださって。室蘭支部長さんも胆振初の快挙だってすごく喜んでくださって。

同じ年の10月から未熟ながら生徒をとって始めたのが最初です。


「いけばなみなづきの会」自体の歴史はまだ新しいですが、そんな活動をずっと白老町でしてきました。



ー 聞けば聞くほどすごいです。

私もお花を買って花瓶に飾るようなことは定期的にしていますが、生け花となるとやっぱりハードルが高くなります。


花瓶に挿すのも素敵な大事なことだからいいんです。

生け花が違うのは、花器と剣山を使うことです。

特に剣山を使うという文化は日本独自のものなんですよね。


池坊 公式ウェブサイトより
池坊 公式ウェブサイトより

剣山とは、花留(はなどめ)の一種で、円形または四角形の金属製の台に針状の突起が並び、くしのような見た目をしています。 剣山は、針状の突起や突起の間に花を挿して使います。大きさや針の間隔に違いがあるので、花器や花材により使い分けます。

白老町の姉妹都市のケネル市から来た交換職員なんかにも生け花の指導したりしましたけど、剣山は珍しいので、ずいぶんプレゼントしましたよ(笑)


生け花って生活に繋がるものとして考えてくれたらいいなと思うんですよね。


私たちも、小さな町でやっているからと言って、いい加減に指導したり、サークル活動というのではなくて、池坊というものを背景にしながら、"文化を継承していくこと"を大事に活動しています。



ー 会ではどのような活動をされていますか?


月に2回のペースで教室を開催し、苫小牧にも教室を持っています。また、1984年から竹浦の北海道リハビリテーションセンターでの生け花クラブのボランティア活動もしています。これはとても大事なことで。みなさんお花も好きで、鋏(はさみ)を使うということもリハビリになりますし。



ー 暮らしの中にお花があるというのはやっぱり気持ちがいいものですよね。


センターの職員さんも、毎回机に白布をかけて、展示会みたいに作品を並べてくれて。家族も来て作品を見て喜んでくれるみたいですよ。1年に1回、いわゆる文化祭みたいな展覧会もやっています。


こういったことも継続していけるように、後継者や指導者の育成にも力をいれてやっているところです。


ー ありがとうございました!生け花体験会、楽しみにしております。


シラオイ・アート・コレクティブ

「生け花体験|いけばなみなづきの会」

2月23日(日) 13:00〜14:30

白老町中央公民館(コミセン)

料金:1000円(お花代)

事前予約制(2月21日までに、以下までご予約ください)

電話:090 - 7053 - 0852(熊谷)


 
 
 

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主催:一般社団法人SHIRAOI PROJECTS

   白老町地域おこし協力隊(山岸 奈津子)

共催:白老町教育委員会、白老町文化団体連絡協議会

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